パソコンがもし壊れても修理ができる設計だと安心ですよね。そんな修理のしやすさを数値化する動きがあります。
実は世の中のパソコンには修理しやすい機種と、一度壊れたら修理ができない機種があります。修理や部品交換ができるように設計がされているものと、できない設計のものがあるからです。
修理できるように設計してほしい
私は新品で購入したパソコンが1年半で起動しなくなり、修理に出したくてもメーカーは新古品との交換しかしていませんでした。調べると、iFixitが出している修理しやすさの指標は0点での機種で、修理や部品交換を前提に作られていないんだとショックでした。
この記事では、修理のしやすさの指標(修理可能性指数)がどんなものか、そしてMicrosoftのSurfaceシリーズというノートパソコンを例題に、iFixitとMicrosoftがそれぞれ発表した修理しやすさ指数を見てみます。
修理可能性指数
修理可能性指数とは、家電製品などの商品の修理のしやすさを示しています。修理可能性指数が高ければ、その製品は修理がしやすいです。修理可能性指数が低いと修理がしにくく、壊れると丸ごと交換しか選択肢がないような製品です。
例:Surface Laptop2
私が使っていたMicrosoftのSurface Laptop2を例にすると、iFixitが発表したSurface Laptop2の修理可能性指数は0点です(10点満点)。点数が高ければ高いほど修理しやすいですが、0点というのは修理できる設計になっていないということです。
iFixitが0点と評価したのは納得です。
実際に、自分のSurface Laptop2が壊れたとき、メーカーであるMicrosoftに修理を依頼したくても対応は「丸ごと交換」のみでした。パソコン修理業者に何件も問い合わせて見るも、Surface Laptop2は修理できないと返事がきました。
しかしノートパソコン全てが0点というわけではなく、メーカーによっては10点近い点数の製品もあります。
製品によって修理しやすく最初からちゃんと設計されているものと、そうじゃないものがあるのです。それを10点満点で数値で分かりやすくしたのが「修理可能性指数」です。
iFixit
そんな修理可能性指数(リぺアビリティスコア)を独自に発表しているのが、iFixitです。
iFixitは家電製品などの修理をしたい人々のための世界的なコミュニティです。
一般的な家電メーカーの説明書には、購入者が自分で修理する方法は書かれていません。しかし「修理できる権利」を行使することで、節約や自然環境への負荷を減らすことを、iFixitは提案しています。そんな考えの元、製品修理マニュアルを公開していたり(公開数7万件以上)、修理方法を相談し合うコミュニティを作っています。
iFixitは修理可能性指数のことで知らなくても、ガジェット分解で知ったという人もいます。Appleが新製品の発売をすると、すぐにiFixitにその新製品が分解されます。
iFixitの修理可能性指数
iFixitでは
・スマートフォン
・タブレット
・ラップトップ(ノートパソコン)
の修理可能性指数を発表しています。
スマートフォンはiPhoneやGalaxy、Pixelなど100件以上、タブレットはiPadなど50件以上、ラップトップ(ノートパソコン)はMacBookやChromebookなど40件以上公表されています。
0点~10点が表示されています。(0点、5点の例↓)
フランスで修理可能性スコアの表示義務化
フランスで2021年1月からスマートフォンやノートパソコン等の電化製品の販売するときに、修理可能性指数を表示をすることが義務付けられました。0点~10点のスコアです。
フランスの法律に則り、メーカー(Microsoft)が算出した修理可能性指数はSurface Laptop3だと、4.1点です。
Microsoftに限らず、フランスでは表示が義務化されたため、購入するときに修理可能性指数を比べて買うことができます。もし修理可能性を表示しないと罰金が科されます。
この法律についての日本貿易振興機構の記事はこちら↓
iFixit発表とMicrosoft発表は違うけど?
同じSurface Laptop3でもiFixitは5点、Microsoftは4.1点をつけています。点数の基準が違うからです。
Microsoftはフランスの法律に従って、いくつかの項目ごとに点数化し、最終的に4.1点を付けています。(詳細)
購入する方からすると、細かい点数の違いはあまり興味ないです。まずはどの製品にも修理可能性指数を表示してもらって買う時の参考にしたいです。
買う時の基準の一つになる
日本でもフランスのように修理可能性指数が表示されてほしいです。
例えばノートパソコンを購入するときは、CPU、メモリ、ディスプレイの大きさ、重さを比較しながら購入しています。修理可能性指数も比較できるようになってほしいです。
私が使っていたSurface Laptop2。壊れる前は「買って良かった!」と溺愛していました。
買う時というのは壊れたときのことをあまり考えないものですが、それでも修理可能性指数が0点(iFixit算出)を知っていれば、また違った選択をしたと思います。
修理しやすい設計のパソコンを推したい
まとめ
修理可能性指数修理がどんなものか、そしてMicrosoftのSurfaceシリーズというノートパソコンを例に、iFixitとMicrosoftがそれぞれ発表した修理しやすさ指数を見てみました。
「修理するより新しいのを買った方が安い」という製品が多いなか、製品の設計段階から修理しやすいように考えられている製品を推したいです。
節約になり、自然環境にも優しい製品が増えるように、まずは修理可能性指数を気にして商品を選ぶことをオススメします。フランスのように日本では表示義務が無いですが、iFixitで調べたり、メーカーに問い合わせてみましょう。
フランスでも販売している国際的なメーカーなら、既に修理可能性指数を算出済みのはずです。国によってキーボードが違うというのはあっても基本設計は同じなので日本でも発表してもらえるようアクションしていきましょう。